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教えて!教えて!肌と髪の疑問(49)

Q.先日、ランチオニンを調べていたら、アルカリ・熱に反応と書いてありました。

教えてください。

A.簡単に説明しておきますね。

髪は主としてケラチンタンパク質からできています。そのケラチンタンパク質はアミノ酸が数珠やネックレスのように数千個連なったものです。アミノ酸は1つの物質ではなく20種類の色々なものがランダムにつながってタンパク質になるのですが、ケラチンはシステインという名前のアミノ酸を10個に1個ぐらい使って数珠のようなタンパク質を作っているというのが特徴です。

システインはSHという手を持っていて、他の場所のSHという手とつながることができます。それがS-S結合と呼ばれるものです。髪の毛はできたときはSH型のケラチンでドロドロな液体なのですが、それが固定部という場所で空気に触れて酸化され、S-S結合によってケラチン分子同士お互いが結びつくことで固体になり、毛として毛穴から出てくるのです。パーマはそのようにしてできたS-S結合を3割ぐらい一時的に切断(還元)して形を変えて、酸化して離れた手をつなぎなおして再度髪を固めることをしています。

話題のランチオニン結合というのは強いアルカリに髪が浸された場合、S-S結合が化学的に分解されて一方のシステインがデヒドロアラニンといアミノ酸に変わってしまいます。一方のシステインはそのままです。さらにデヒドロアラニンというアミノ酸はシステインと反応して-S-結合、つまりランチオニン結合となって、再度離れた手をつなぐのです。正常な状態であればS-S結合でつながっていたケラチン同士が-S-結合でつながってしまうということは、そのケラチン同士は還元剤(パーマ1剤)で再び切断することができないことになり、パーマがかからない髪ということになるわけです。この方法でアフリカの人がアルカリの強い土を水で粘度のように練って髪につけて髪をストレートにしていたのですが、2度とパーマはかからなくなります。

ランチオニン結合は強いアルカリでできてしまいますが、熱が必要というわけではないのです。ストレートが伸びないのでアルカリの強い1剤に40分とか1時間とか漬けているというのでも十分ランチオニンはできます。伸びないので軟化時間を長くおいた髪ほど2度とパーマがかからなくなるのはランチオニンの影響です。アイロンの熱を処理している時は、髪は強いアルカリには浸されていないので、新たにはランチオニンが生まれるというより、すでに作られたデヒドロアラニンとシステインが反応しやすくなるという意味です。したがって1剤の処理でデヒドロアラニンを作らないように気を付ければアイロンでランチオニンの心配をしすぎる必要はないです。ただし、どうしても熱によるタンパク質変性は起こりますので、アイロンで伸ばそうとするのではなく、1剤で伸ばすことを考えてくださいね。熱によるタンパク質変性を最小限にすることが大切です。

ランチオニンを作らないようにするには、元凶であるデヒドロアラニンが活性化してシステインと結合しなければ良いですよね。ソニルTIOにはデヒドロアラニンと結合して活性を弱め、ランチオニンを作りにくくする成分が入っています。

内容が少し難しくなりましたが、何とか読み込んで理解してくださいね。